『マンホール』漫画の最終回ネタバレひどい「蚊には刺されるな」



マンホールimage

マンホールより

漫画の最終回ネタバレひどい『マンホール』蚊にだけは刺されるな

 

筒井哲也 ヤングガンガン 2004年-2006年 全2巻

マンホール1.2

amazon.jp

『マンホール』イントロ

 

長崎県では有害図書指定されています。

よくある世直し復讐劇なんだけど、

その手段がパンデミック。

絵がホラー。

マジで蚊に刺されるのが怖くなる、

おそろしいストーリーです。

 

 

あらすじ

 

舞台は師走の笹原市中央商店街。

日常の中に想定外の異物が現れる。

全裸で身体を血塗れにした男が

マンホール1-5

マンホールより

道路の真ん中をもうろうとして歩く。

携帯メールをしながら歩いていた大学生が、

その男にぶつかる。

マンホール1-7

マンホールより

男は雨宮に向かって吐血。

絶叫した雨宮は、男を突き飛ばす。

男はそのまま地面に後頭部をぶつけて絶命した。

雨宮は携帯を落としたまま、その場を逃げ出す。

 

現場には、笹原署刑事課の滝本、溝口、

女性刑事の井上がやってきて捜査が始まる。

男は商店街近くのマンホールから

マンホール1-8

マンホールより

はいあがって来たことが足跡などから確認された。

 

溝口は井上に目撃証言を集めておくよう指示する。

溝口は雨宮が落としていった携帯から、

雨宮の交際相手である大学生の関口美香に連絡するも、

マンホール1-11

マンホールより

取り次いではもらえなかった。

雨宮は関口のアパートにいた。

 

その夜、笹原署では、遺体の解剖が行われた。

側頭部に広がるミミズ腫れにメスを入れると、

マンホール1-14

マンホールより

閉じていた目が開き、その中で何かがうごめいていた。

そのうごく物体を引き抜くと、それは細長い寄生虫だった。

マンホール1-17

マンホールより

翌日、歯形からマンホールから出てきた男の身元が割れる。

堀川義人、32歳、無職。

事件現場の近所のアパートで両親と3人暮らし。

 

溝口と井上が、そのアパートへ向かう。

その頃、美香のアパートでは、

雨宮が警察に出頭する準備をしていた。

雨宮は体調が悪く、

マンホール1-22

マンホールより

顔に原因不明のミミズ腫れができていた。

 

 

堀川のアパートについた溝口と井上は、部屋を訪ねる。

部屋には堀川の母親がいた。

息子の死亡を伝えると心なしかうれしそうに笑った。

母親は、遺体が息子であると認める。

彼女は義人から虐待を受けていた。

 

追いつめられた両親は、義人を「ある施設」に送る。

夫の知人だという写真家に紹介された矯正施設だ。

料金もかからないということでお願いした。

施設の場所は分からず、

ただ義人をある場所に連れていくだけで良いと指示されたという。

 

その指示された場所の住所を聞き出した二人は、

現場に向かおうとしたが、

本部から連絡があり一度戻ることになる。

義人が狂人と化した原因が

フィラリアという寄生虫にあることが分かり、

説明を受ける必要があった。

 

溝口と井上が笹原署に戻ると、

ちょうど雨宮の事情聴取を指示される。

雨宮の聴取は井上に任せ、溝口は死体検案室へ、

そこには保健所の職員である池端と清水がいた。

雨宮の事情聴取が始まった。

雨宮は、堀川義人が「ママ」と言ったと証言するが、

他は何も思い出せない。それどころか、

少しずつ様子がおかしくなっていく。

額のミミズ腫れが左目まで伸び、

マンホール1-40

マンホールより

強い痛みと共に、彼の何かが壊れた。

 

突然、取調室を飛び出していく。

もうろうとしたまま警察署を出た雨宮は、

車に跳ね飛ばされてしまう。

 

 

死体検案室では、溝口がフィラリアに関する説明を受けていた。

堀川義人の右目に入っていたフィラリアは全部で4匹。

日本では犬や猫に感染することは多いが、

人に感染する例は聞いたことがないという。

マンホール1-42

マンホールより

保健所職員の池端と清水によると相当凶悪な新種らしい。

 

この新種のフィラリアは視神経を伝って

「人間の基本的な欲求を司ると言われる」視床下部に到達。

そこを食い荒らし、ホルモンバランスの崩壊、

自律神経の異常、そして食欲や性欲といった

基本的欲求が奪われる可能性があるという。

 

その頃、関口美香のアパートでは、

アロワナの死骸からフィラリアを有した蚊が羽化。

マンホール1-48

マンホールより

すでに雨宮の血をなめて感染していた美香の右目は、

フィラリアの浸食によって赤黒く腫れ上がっていた。

 

雨宮の死を受けて、笹原署で緊急の捜査会議が開かれる。

雨宮の体内から発見されたフィラリアは

堀川のものと同種であると判明。

さらに堀川の頭に「人によるもの」と思われる電極の跡が発見され、

体内からはクロロフォルムが検出された。

 

堀川の母親の証言から、

写真家を名乗る人物が「施設」へ連れていった可能性があり、

事件として警察が捜査を行うことになった。

 

溝口と井上は、

堀川の母親から聞いた「施設」の住所にやってきた。

そこは、ただの空き地だった。

近隣住民に聞き込みをしたが、収穫はなし。

しかし、井上はその土地の中にある雨水用のマンホールが

不自然にパテのようなもので塞がれているのを発見。

マンホール1-61

マンホールより

溝口は、これも不自然にその場に置かれていたバールを見つける。

「開けて見ろ」と言わんばかりの状況に溝口は

「施設ってのはここなんじゃねえか?」とつぶやく。

溝口は井上に催促されてマンホールのふたをこじ開ける。

 

ゆっくりと開いていくマンホールから日の光が差し込む。

それに照らし出された全裸の男。

口からは汚物を垂れ流し、

マンホール1-62

マンホールより

頭には無数の電極が貼り付けられていた。

溝口は体格が大きすぎてマンホールに入れないため、

マンホール1-68

マンホールより

虫除けスプレーを吹き付け、

顔にビニール袋をかぶった井上が下に降りる。

 

マンホールの地下にはまさに「施設」が広がっていた。

拘束用のイスにテーブル、バッテリー類。

マンホール1-70

マンホールより

そして、「ボツワナ紀行」というタイトルの書籍。

井上がカメラのフラッシュをたいて写真を撮影すると、

マンホール1-72

マンホールより

右目がつぶれた全裸の男が背後に息を潜めて立っている。

 

井上は気がつかない。

 

 

堀川の父親に話を聞きに入った滝本は、

ハローワークで堀川晴生に接触する。

晴生は「あのろくでなしの父親だ」とつぶやいた。

 

一ヶ月前、堀川に声をかけてきたのは、

風景写真家を名乗る水野正章という男。

年齢は60歳くらいで高級そうなスーツを着て、

マンホール1-73

マンホールより

サングラスをかけていたという。

 

マンホールからはいあがった井上は、

ボツワナ紀行と題された本を回収していた。

マンホール内部の調査は、

溝口が読んだ保健所のスタッフに委託される。

 

 

堀川は、写真家「水野正章」について語る。

「写真家」というのは嘘だろうということだった。

 

水野は堀川に昼飯をおごると言ってレストランに誘い出す。

水野はそこで、「カッコーの巣の上で」という映画を持ち出し、

ロボトミー手術について語り始める。

ロボトミー手術=前頭葉白質切断術は、

患者のこめかみに穴を空け、

前頭葉の白質部分を除去する術式である。

水野はロボトミー手術の有効性を説き、

外科的処置を放棄した現代の精神科医療を非難した。

 

世の中で起こる不条理な凶悪犯罪に手を染めクズに対して、

今こそ物理的なアプローチをとるべきだと主張する水野は、

 

「もうこんなクズどもは、いっそ能手術でも施して

地下施設へ隔離した方が社会全体にとって有益だと思わないかね?」

そして水野は、小さなガラス瓶に入ったフィラリアを取り出し、

マンホール1-83

マンホールより

「遠いボツワナの地で、

有害なクズどもを浄化する方法を私は手に入れたのだ」と笑った。

 

 

著者は写真家の水野正章。

堀川の母親が言っていた「写真家」とのつながりを

まだ警察はつかめない。

堀川の父親・晴生に対して、

写真家・水野正章を名乗る初老の男はこう語ったという。

 

水野が持っていたフィラリアは、人間の脳の視床下部、

マンホール1-89

マンホールより

その外側部を好んで食す。

その部分は、人間の欲望を司り、

例えば食欲を感じれば、そこが激しく「発火」するのだという。

マンホール1-147

マンホールより

フィラリアを媒介する蚊などの昆虫は、

人間の吐き出す二酸化炭素=炭酸ガスに反応して吸血行動を行う。

 

溝口たちがマンホールの「施設」を捜索しているころ、

関口美香のアパートでは、羽化した

「フィラリアを媒介する蚊」が無数に発生し、

炭酸ガスを吐き出し続ける苗床と化した美香の体を刺し続けていた。

 

そして蚊は、炭酸ガスを追って部屋の外へと飛び出して行き、

近隣に住む主婦の手に噛み付いた。

 

 

堀川晴生と水野の会話は続く。

水野の説明だと、フィラリアによる感染で死ぬことはないという。

ただし「社会生活は困難になる恐れもある」可能性は否定できなり。

さらに「自己の欲望と折り合いをつけ規則正しく行動するものだけがこ
のフィラリアと共存できるのだ」と語る水野の右目は、フィラリアの感
染により白濁していた。

 

 

水野はフィラリアを使えば、

血の一滴も流さずに目的を果たせると語った。

 

溝口は、この犯罪の首謀者を「確信犯」だと推測した。

自分の発見したフィラリアが世のため、人のために

役立つものだと本気で信じ込んでいる。

警察の捜査が進むことで、この事件が明るみになり、

騒動になる故に、犯行現場に「ヒント」を残した。

ただし、計画の準備中に邪魔が入るのはいただけない。

そのため、一時的な潜伏先として選んだのが、

日本全国どこにでもあるマンホールだった。

 

 

その頃、マンホールの奥底では、片目のつぶれた全裸の男が、

ふうふうと荒い息を吐きながら、

出口を求めてさまよっていた。

 

井上に施設に踏み込まれ、逃げるようにマンホールの中を

さまよっていた全裸の男が地上に這いだしたのは、

堀川の死亡から2日経過した12月9日の午後3時だった。

 

その1時間後、自転車で通りかかった女子中学生が、

ふたの開いたマンホールにひっかかり転倒、

そこで全裸の男に遭遇する。

全裸の男を「本気の変態」と勘違いした女子中学生は、

逃げだそうとするが男に見つかり、

追いかけられたので自転車とバックを捨てて走り去った。

男は彼女を追いかける。

女子中学生は自宅に入って鍵をかけたが、

窓の施錠がしておらず、男が室内に入って来ようとする。

 

室内に進入した全裸の男に対して、

勇敢にも女子中学生が立ち向かう。

手あたり次第、手につくもので男の頭を殴りつけ、

男は頭から血を流し、前のめりにつっぷした。

そして「ごめんなさい」とはっきりと謝罪の言葉を発した。

 

男の傍らには、男が持ってきたのだろう。

汚れた女子中学生のバックが置かれていた。




県警から入電が入り、

堀川と同じ片目の白濁した「2番目の男」が現れたと

通報があったことが明らかになる。

 

全裸の男の名は田村雅樹、二十六歳、無職。

マンホール1-128

マンホールより

田村は、マスクの男によってマンホール地下の施設に監禁され、

フィラリアの仔虫がたっぷり入った目薬を刺されたという。

滝田は、この田村という男を覚えていた。

彼は、4年前にこの町で起きた幼女誘拐事件の犯人だった。

事件は、被害者に外傷がなく無事に保護されたこと、

年齢などを考慮に入れてあまり大きく報道されることはなかった。

しかし、少女は事件のショックから口が利けなくなり、

北海道に住む祖父の元へ移住したという。

 

事件はそれで終わらなかった。

連れ去り事件からしばらくして、

祖父の元に3本のビデオテープが届く。

それを再生してしまった祖父は、

田村によって撮影された連れ去り事件の詳細を観てしまった。

テープの送り主は田村であり、

滝田の推理では「最愛の娘が陵辱される姿を見て

恐れおののく家族を想像してマスターベーションにふけるのが

楽しくて仕方がないんだろう」というものだった。

「こいつは人間のクズだな」と断言した溝口が取り調べ室に入る。

田村に対して、写真家を名乗る水野にやられたのかと質問したが、

涙ながらに「分かりません」と答えた。

「何も分からない。僕がどうしてこんな目に」と言う田村に、

溝口は「何、被害者面してやがる、ぶっ殺すぞ」と暴言を吐く。

 

 

関口美香の住むアパートの向かいにある一軒家に

笹原署刑事の井上が向かうと、

そこにはフィラリアに感染した少年がいた。

井上は少年の状態が落ち着いていることを確認すると、

階下の同僚・溝口を呼びにいく。

 

同じくフィラリアに感染した女性を保護した溝口だったが、

マンホール1-153

マンホールより

感染者の血液が付着した包丁を足に刺してしまった。

自分を落ち着け、そばにあった料理酒で傷口を消毒する。

 

そこにやってきた井上に感染症の疑いありと伝えた上で、

救急車を呼ぶように指示する。

事の重大さに気がつき、絶叫する井上をしかりつけ、

溝口は語りかける。

「自分はこれから検査を受けるが、

これが最後かも知れないので伝えておく。

この事件の敵は強く、高い知能と行動力がある。

そして何より強い「意志」がある。

犯人は一種の思想犯であるが、絶対に奴の思想に呑まれるな」と。

 

 

笠原保健所所長である戸川が

マンホール2-11

マンホールより

スズメバチの駆除に使う防護服を持って現場に到着。

ヒトスジシマカは冬季には羽化しないという常識にとらわれて

足下を掬われてしまった職員の失態をいさめつつ、

これ以上の事態悪化を避けるための対策を指示する。

マンホール2-15

マンホールより

ヒトスジシマカは、夜間には吸血活動を行わないため、

夜が明けるまえに駆除を完遂する必要があった。

 

 

防護服に身を包んだ保健所職員が、

関口美香の住む202号室のチャイムを鳴らすが反応はなし。

通風口を密閉し、郵便入れの隙間から殺虫剤を噴霧する作戦を決行。

しばらくして、中から何かが動く音が聞こえてくる。

そこで初めて、どうやら中に誰かがいるらしいという事実が判明した。

ドアノブのひねると、鍵は開いていた。

薄暗い部屋の中は、無数の蚊の死骸が散乱したいた。

玄関からリビングに続くドアの隙間から

マニキュアを塗った手が伸びてくる。

ゆっくりとあいた扉の先に、身体中を蚊に刺され、

被布が腫れ上がった髪の長い女性が全裸のままはい出て来た。

 

マンホール2-26

マンホールより

全裸の関口美香は、全身のあらゆる箇所を蚊にさされ、

意識がもうろうとした状態で助けを求めて出てきた。

戸川率いる保健所チームは、彼女を即座に保護。

 

警察と連携して地域一帯の封鎖を指示。

 

川浜総合病院に搬送された溝口は、検査の結果、

ミクロフィラリアに対する感染が陰性であることが判明。

井上はほっと胸をなでおろす。

 

封鎖地域では、戸川の指揮の元、

蚊の制圧作戦が実行されようとしていた。

現場にはバイオテロ専門チームも到着し、

事態はいよいよ未曾有のバイオテロ事件の様相を呈し始めた。

 

 

溝口の入院している病院から現場に戻った井上と滝本は、

防護服を着て関口美香の部屋を捜査する。

そこで保健所チームから、真冬に蚊が大量発生した原因が説明された。

原因は、関口美香が飼育していたアロワナだった。

フィルターも使わず、水も取り替えていない状況だったため

蚊の繁殖に適した環境が整っていた。

信じられないほどの偶然が重なり、

この事態が発生したと考えられた。

 

笹原市での一連の騒動が「異臭騒ぎ」としてで報じられた。

保健所チームと警察のバイオテロ対策チームによって、

蚊は次々と駆逐されていった。

防護服を着込んだ男たちが歩き回る光景は、

当然、マスコミの注目を集める。

 

現場に報道各社が殺到する中、溝口が捜査に復帰した。

溝口は早速、あやしい動きをするタクシーを見つけ、

白バイ隊員に追尾を指示する。

中には、事件の首謀者とみられる「写真家の水野」が乗っていた。

彼は「ただ子供たちの様子を見に来た」と運転手に語っている。

 

そして、「それにしても、これ程までの騒動が起こるとは全く想定外だ。

しかし、まあこれはこれでおもしろい。

次の計画を始めるとしよう」と独り言を言い、笑っていた。

 

 

笹原市竹豊町で起きた異臭騒ぎは、

瞬く間に情報が流出し、バイオテロ事件として注目を集めた。

 

一夜明け、本部長の皆川は、犯人と目される「水野正章」の逮捕に

全力を尽くすよう捜査員に指示する。

 

笹原署の溝口と井上は、事件の本筋を洗う本部から離れ、

周辺情報を追う。

目をつけたのは、田村雅樹だった。

第一の被害者である堀川が、

親によって強制的に施設へ送られたのに対し、

田村は現在、親兄弟とは絶縁状態にある。

田村はその件に関して「覚えていない」と証言したが、

それは「知られたくない」の裏返しでもある。

二人は、田村のアパートへ家宅捜索に向かう。

 

一方、捜査本部では、

水野がかつて応募した写真コンクールの足跡から

現住所を割り出していた。

水野は愛知県在住のため、愛知県警に協力を要請し、

任意同行を求めることに。

 

田村のアパートは人の出入りもなく、家賃も滞納されていた。

部屋の中は美少女アニメのポスターやグッズであふれ、

井上は嫌悪感を露わにする。

溝口は台所の三角コーナーで、

明らかに意図的に燃やされた紙片を見つける。

刑事の勘を刺激された溝口は、

固まりになった紙片を慎重に開き始めた。

 

FAXの内部に残された送信記録から、

「私はお前の過去を知っている」

というメッセージと共に「施設」の住所が書かれた

脅迫状が見つかった。

 

FAXが送信されたコンビニで確認すると、

サングラスをかけた60代くらいの男が

FAXを使っていたことが判明する。

しかし「写真家の水野」とは別人であると証言した。

 

 

真犯人は、写真家の水野を名乗った完全なる別人だった。

その後の捜査会議で「施設」にあった脳波計が

北海道にある生物研究所の引き払い品であることが分かるが、

他にめぼしいてがかりはあがってこない。

 

 

ひょんなところから「警察御用達の凄腕ハッカー」にたどりつく。

ハッカーの喜多嶋によってもたらされた

「ボツワナ紀行」の購入者情報から、

マンホール2-80

マンホールより

一人の重要参考人が浮上する。

名前は「黒川宏」。

マンホール2-81

マンホールより

彼は田村による少女誘拐事件で連れ去られた被害者の祖父であり、

問題のビデオテープを受け取った張本人だった。

 

捜査本部により、黒川の素性が明らかになる。

黒川宏、60歳。北海道出身で現在は無職。

元生物研究所の研究員だった。

マンホール2-79

マンホールより

2年前までエキノコックスという寄生虫による

感染症の研究を行っていた。

つまり、黒川は寄生虫研究のスペシャリストだった。

 

 

この研究所では、2年前に1億円の使途不明金が発覚しており、

黒川はその直後に退職している。その後、

アフリカのヨハネスブルクに渡り、今年の9月に帰国していた。

 

また、マンホール地下の「施設」で発見された脳波計は、

黒川が勤務していた施設にあったものだとわかった。

 

黒川は帰国後、笹原市の人生相談室で電話相談の仕事をしていた。

その際、堀川義人の母親である

トシ江と応対していたという記録が見つかっている。

 

捜査本部は、黒川が田村への復讐を行うためにフィラリアを入手、

堀川で実験を行ってから犯行に及んだとにらみ、

復讐は成功したので、

今後のフィラリア感染拡大の可能性はないと断定。

マンホール2-84

マンホールより

黒川を全国指名手配した。

 

 

黒川は、真面目で寡黙、職人気質の研究員。

プライベートでは孫娘を溺愛する好々爺だった。

 

田村によって孫娘が事件に巻き込まれた後、

大きな心の傷を追った孫娘を北海道にひきとり、

妻と共に献身的な介護を続けてきた。

そこに田村からのビデオテープが送られ、

彼はそれを観てしまう。

 

 

黒川は、その残酷な記録のすべてを目に焼き付けた。

少女がどのような苦痛を味合わされたのかを切実に知りたかった

その日から彼は書斎に引きこもって、

脳に作用する寄生虫の文献を読み漁り、

ついには「ボツワナ紀行」にたどりつく。

 

研究費を着服し、研究者としての地位と名誉、

老後のおだやかな生活をかなぐり捨てて、

彼はボツワナへと旅立つ。

マンホール2-89

マンホールより

その地で片目と脳の一部を失いながらも、

彼の「復讐への意思」は消え去らなかった。

 

 

黒川は帰国後、電話人生相談の相談員となり、

「実験体」としての堀川に目をつけた。

 

滝本は報告書を書きながら、いつの間にか泣いていた。

それは怒りか悲しみか、

あるいは黒川に対する同情だったのか。

 

滝本は黒川に「それでもあなたは間違っている」

と伝えられるかどうか自問していた。

 

 

一度は陰性と診断された溝口の血液から、

ミクロフィラリアが発見された。

検査時間が遅すぎ、

本来は存在していたはずのミクロフィラリアを検出できなかった。

 

溝口はその頃、笹原市からほど近い槇野市に向かったという

黒川の行動を追っていた。

槇野市で起こっている犯罪を調べたところ、

先月から槇野市中町で16件の

連続不審火が起きていることがわかった。

 

「犯罪者を浄化する」という黒川の行動規範に則れば、

次のターゲットがこの放火魔であってもおかしくはない。

 

捜査本部は、黒川の犯行は田村への個人的な復讐である

と考えているようだが溝口は違った。

黒川の目的が田村への私刑であるならば、

マンホールの中に監禁した時点で

半殺しにするほど痛めつければ済むことである。

それをしなかっったのは、別に目的があったからに違いない。

黒川が「私の目的は、

この世にはびこるクズどもを浄化することにある」

と言っていたのは、本気かもしれないと溝口は思い始めていた。

 

 

溝口と井上は、車で槇野市へ向かう。

その車中、井上は、黒川が放火犯の身柄を確保して、

マンホールに監禁するのは非常に難しいという見解をのべる。

溝口もその点については同意するが。

 

 

突然、運転中の溝口の様子がおかしくなる。

顔を押させて苦しそうにしたかと思うと、

そのままハンドル操作を誤り、電柱に激突した。

激しく回転してやっと停車した車。

マンホール2-106

マンホールより

井上が振り向くと、血塗れの溝口の右目は

フィラリアによって浸食されていた。

 

捜査員の中から感染者が出たという事実は、捜査本部を動揺させた。

 

 

井上は、拳銃を持って、単身黒川を追う。

マンホール2-114

マンホールより

彼女は「どうでもいい」と考えていた。

「今、一人の刑事として72時間以内に黒川宏を捕らえる」

それが彼女の思考のすべてだった。

 

槇野市の第一小学校。深夜にウサギ小屋へ忍び込む男の影。

注射器にたっぷりのミクロフィラリアをつめこんだ黒川は、

おびえるウサギを優しく抱き寄せ、針を突き立てた。

 

 

拳銃を持ち出し、捜査本部から離れた井上は、

一人、槇野市に入った。そこへ喜多嶋から電話が入る。

彼は、フィラリアが人間にしか発症しないと前置きした上で、

ここ最近、槇野市中町にあるインターネットカフェで

12月10日の夜(笹原市でパニックが起きた日)に

検索サイトを使ったある人間の履歴を調べていた。

 

検索に使われた言葉は、「槇野市」と「動物」の2ワード。

そこから導き出された検索結果は、

一件目から順番に「槇野市ふれあい動物園、

ペットショップアニマルランドまきの、

うさ日記(坂崎教諭のブログ)となっており、

マンホール2-125

マンホールより

まさに異変が起きた動物施設と場所・順番が一致していた。

 

黒川が槇野市に移動したのは、12月10日の夜。

槇野市の動物施設で異変が始まったのも、その翌日からだった。

 

喜多嶋は、自らの考える黒川象を述べ始める。

「黒川って男は、基本的に無駄なことはしない主義」であり、

四件目の訪問先として予測したのが、

通称「犬屋敷」といわれる槇野市内の民家だった。

 

喜多嶋は黒川を分析する。

 

黒川は、動物を使って

フィラリアの人為的なアウトブレイクを引き起こすことで

マンホール2-129

マンホールより

「放火犯を含む市民全員」を集団感染させようとしている。

 

 

井上はしんしんと雪が降る中、

次に黒川が訪れると予想される「犬屋敷」でじっと身を隠していた。

マンホール2-134

マンホールより

そこにやってきた黒川。井上はその背後に周り、拳銃を構えた。

マンホール2-137

マンホールより

井上の警告を無視して、

犬に注射をしようとした黒川に対し、井上は迷わず威嚇射撃を行う。

マンホール2-135

マンホールより

 

井上の脳裏に、フィラリアに感染した被害者の姿が、

血みどろになった溝口の顔が浮かんだ。

マンホール2-138

マンホールより

 

「お前一人をつかまえることができれば、どうなってもいい」

井上は再び、引き金をひいた。

 

 

井上の放った銃弾は、黒川の腹部をとらえる。

自らの手を汚した鮮血を見て、黒川は「ここまでか」とつぶやく。

「真っ直ぐないい目をしている。その覚悟を一人でも多くの犯罪者の摘発に」

井上の目を見てそう言い残した黒川は、雪上に倒れた。

病院に運ばれた黒川は、

傷の手当を行い続けてMRI検査を受けることになる。

 

 

最終回

 

マンホール2-142

マンホールより

黒川は語る。

これまで自分が起こした事件は、黒川自身の命をかけた挑戦である。

マスコミが事件の真相にたどりつけるよう、

ヒントは意図的に用意した。

 

このまま放置すれば、槙野市民は片目を失う代わりに

連続放火の恐怖から解放され、

かつ犯罪のない社会が約束される。

黒川が行ったすべての行為は善行である。

 

「私の役割は今日で終わる」と前置きした上で、

事件の真相を全国民が知り、

その時、黒川の意思を正確に理解し、

ボツワナに飛ぶものが現れたら、

「その時ことが私の本当の勝利だ」。

そして、黒川は笑った。

マンホール2-145

マンホールより

黒川は予定通りMRIにかけられたが、

彼は金属製のボルトを飲み込んだ。

MRIの強力な磁力がボルトを振動させ、首付近が破裂し、

大量出血。黒川は死んだ。

 

事件から3ヶ月後、警察を依願退職した井上は、

ファミリーレストランで働いていた。

そこにやってきたのは、右目に眼帯をした溝口だった。

溝口は井上を警察に復帰させるべく警察官募集要項を持ってきていた。

「お前にはでかい借りができた。お前が戻らねえと返せねえんだよ」

「また一緒にやろう。笹原署で待ってる」という溝口の言葉を聞き、

マンホール2-156

マンホールより

「はい」と返事をした。

 

『マンホール』――― 完

 

「マンホール」を無料で立ち読み eBookJapan

 

感 想

 

長崎県が有害図書指定したことで有名になったりもしましたが、

何でこれが有害なのか全く見当がつきません。

マンホール1-49

マンホールより

感染が拡大していってパンデミック寸前で食い止めようと

努力するところが緊迫感あって凄くリアルでした。

蚊の苗床になってるところはアロワナこそ飼っていないにしろ、

ゴミ屋敷寸前の片づけない我が家に反省しきりです。

マンホール1-97

マンホールより

カテゴリーはバイオホラーでしたが、???です。

 

寄生虫とロボトミーを分けたら、

二つの物語ができたのでは?

ちょっと勿体ないかな。

 

架空のゾンビとかじゃなく、『蚊』気持ち悪いですね。

「マンホール」を無料で立ち読み eBookJapan

 

 

筒井哲也先生の『予告犯』

インターネット動画投稿サイトで犯行予告動画を投稿する謎の男。

果たして予告された事件は起きるのか…!?

高度に情報化された現代のテロリズムを描く、

緊迫のサスペンススリラー

 

予告犯」「マンホール」を無料で立ち読み eBookJapan

 

生田斗真主演で映画化され話題になりました。

映画.予告犯

映画予告犯より

映画『予告犯』

奥田 宏明 / ゲイツ – 生田斗真

葛西 智彦 / カンサイ – 鈴木亮平

木村 浩一 / ノビタ – 濱田岳

寺原 慎一 / メタボ – 荒川良々

吉野 絵里香 / 戸田恵梨香

岡本 大毅 / 宅間孝行

市川 学 / 坂口健太郎

青山 祐一 / 窪田正孝

楓 / 小松菜奈

ヒョロ / ネルソン・カトー・リカルテ – 福山康平

栗原 / 滝藤賢一

加藤 / 本田博太郎

設楽木 匡志 / 小日向文世

レッドクァンタムのCMモデル / 菜々緒

副総監 / 名高達男

と、錚々たる顔ぶれです。

予告犯』 漫画、映画を動画配信サービスで視聴!



 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA