ジョージ秋山先生が2020年5月12日にご逝去なさいました。
心からご冥福をお祈りいたします。
この作品『浮浪雲』の最終回が掲載されたビッグコミック オリジナルは
私の宝物のひとつになりました。
『浮浪雲』漫画の最終回ネタバレひどい「飄々とフェイドアウト!」名言集あり
ジョージ秋山 ビッグコミック オリジナル
1973年-2017年(44年間)全1039話 全112巻
渡哲也主演、カメは桃井かおり
youtubeより
【あらすじ】
幕末の品川宿を舞台に、
元は武士だが自由気ままに生きていく
酒好き女好きの遊び人(実は剣の達人)、
浮浪雲(はぐれぐも)こと雲(くも)の日常を描いた人情時代劇。
チョンマゲを前につけ、女物の着物をひっかけた浮浪雲は、
問屋「夢屋」の頭でありながら仕事は二の次で、
のらりくらりと毎日を過ごしていた。
危急の際には「雲が一声掛ければ、東海道中の雲助が集まる」実力者。
また何故だか交流関係は十五代将軍・徳川慶喜、
新撰組の芹沢鴨、沖田総司、
西郷ドンの盟友・中村半次郎と幅広い。
≪最終話≫神隠し
晴れの日も、
曇りの日も、雨の日も、
どんな時も
浮浪雲がいた。
《菱垣廻船が海原をかける》
父を探す新之助。行先も告げず、浮浪雲は姿を消したらしい。
いつもならじきにふらっと帰ってくるのだが…
《新之助が浜辺を走り回る》
はあ はあ はあ…
まさか父上があの船に乗ってるわけないよな…
いや、父上のことだ、そういうことも、ありえるな。
うっかり乗ってしまったとか…
父上は何事もうっかりだからな…
あの船はどこの船かな…タイ?志那?
まさか…な。
ども父上はまさかの人だからな…
《自宅に帰った新之助》
まったくやっかいな人だな浮浪雲は。
いつもここでボ――ッとしてたのになあ…
きゅうにだもんなあ…
どこへ行っちゃったのかなあ…
おカメ:大丈夫よ。そのうち帰ってくるわよ。
そのうちって言ってもさあ。
あんた奥さんなんだからもうちょっと具体的になんかさ…
浮浪雲は神隠しにあったと町の噂
ご近所のお女中たち:ほんとだね。このごろ浮浪のおじさん見かけないね。
でしょう。全然 見かけないよねえ。
神隠しにあっちゃったんじゃないかしらね。
きゃっ、神隠し?
だけど神隠し…って、
浮浪のおじさんらしいわね~~
町人:わっはっはっ。決まってるじゃねえか 女だよ女。女のところへ入りびたりだよ。入りびたり。
そりゃねえと思う。あれは女たらしだけど、入りびたりっえことはねえと思うな。入りびたるなんてえ努力はしねえと思うな。
ははっ、入りびたるのにそんな努力が必要かよ。楽なもんだよ。
先生:ほ―――ほっほっほっほっ、浮浪雲が神隠しにあったと?
もっぱらの噂さんです。先生なら知ってると思いまして。
さあ…ねえ、わたしはなんにもねえ… わたしは浮浪さんのことはなんにも知らないのです。
知らないって…先生はいつも親しくしていらっしゃるのにですか?
お奉行:あの野郎、自分に飽きたんだな。ほんとはよ、繊細でよ、浮浪雲やってるのに疲れちまったのかもな。 まあな浮浪雲なんてやってるとよ、そうとう疲れるだろうからよ。
オレもよ、奉行やってるの疲れるもんなあ。 寝てる時も奉行だもんなあ… 夢でも奉行だぜ。
町人:おいっ、浮浪の旦那だけどよ、どこか遠いところで果てちゃったんじゃねえかい?
うん…そういうこともあるかもね…
あるかも かも かもよ。
…………… ……………
どうしたんだい?何を考えてるんだよ。
カメさんだよ。カメさんは何か知ってるかもよ。女房なんだから。
《浮浪雲の自宅にたしかめに町人が来た》
おカメ:ほんとなんです。ほんとに知らないんです。
あんた女房でしょう?
はあ…女房っていえば女房ですけど… わたしが思うに だぶん… 生きてんの忘れちゃったんじゃないかしら。
先生:ほ―――ほっほっほっほっほっほっ 生きてるのを忘れちゃったあ… …ですか。
《自宅を掃除するおカメ》
《ふと押入れを開けると…》
浮浪雲は押入れに寝ていた
浮浪雲:やあカメさん久しぶり。
あじゃぱ――。
えーなんだいそりゃ?押入れに寝てたあ?
何度も出たり入ったりしてたんですって。
かっこわる。それで浮浪雲はどこへ行ったの?
もう我慢ができないよ!倅としてガツンとかましてやる!
浜辺を飄々と歩く浮浪雲
ダメだ… 近寄れない… なんでだろう。
波の音がザザーっと響く
《父の姿を見て、波音を耳に、涙を流す新之助》
波の音がザザーっと響く
――――『浮浪雲』完
名言の宝庫『浮浪雲」
人間は上から入れて下から出す。それだけのことですよ。
人間は難しいこと考えることないさ、、、
五尺の糞ひり虫ってんだよ、、、
立派になろうなんてのは、疲れますから、
自分のやりたいことだけ、自分が楽しいことだけ、考えたらいいんですよ。
花が散るのは風のせいじゃない。
風が吹いても吹かなくても、花は散るのが運命
落ちない絶対の方法はでんす、飛ばない事でんす。
三日坊主って三日も頑張ったんですか。
勝とうと思うから負けがあるんです。
勝とうと思わなければ負けはありません。
冨士山に登ろうと決めた人だけが
冨士山に登ったんです。
散歩のついでに登った人はひとりもいませんよ。
※読売新聞のコラム「編集手帳」にも引用された、名言中の名言です
浮浪雲 – Curated tweets by jiromaru39
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