


孤高の人より
漫画の最終回ネタバレひどい『孤高の人』圧倒的な画力で描くボッチ感
原案:新田次郎 漫画:坂本眞一 週刊ヤングジャンプ 2007年-2011年 全17巻
前 説
山に魅せられた男の人生
過去の事故により友人を失い、
心を閉ざした主人公森文太郎。



孤高の人より
彼が転校してくることから物語が始まる。
ロッククライミング部のチャラいヤンキーのような同級生の宮本が文太郎を誘う。
未経験のクライミングや登山の世界に自分の居場所を見つけた。



孤高の人より
文太郎は山登りに目覚め始めて、最終的に世界最難関の山であるK2に、
しかも前人未到の東壁の単独登頂に挑む。
新田次郎の小説「孤高の人」はこの漫画と内容や舞台は若干違う(主人公の名前など共通点はあり)。
この小説には原案としてクレジットされている。
あらすじ
孤独で謎めいた主人公の森文太郎。
転校した高校でクライミングに取り憑かれ、
次々と過酷な山へ足を踏み入れていく。



孤高の人より
K2アタック隊のプロジェクトにスカウトされるまでになった彼だが、
仲間の死やプロジェクトの頓挫、裏切りに合い、ますます心を閉ざしていく。
そんな孤独な彼の心を開いてくれた女性が現れ、結婚した。
子どもが生まれ山から遠ざかった平和な日々を送っていたが、



孤高の人より
K2を諦められない後輩に誘われ再び山へ向かっていく。
前人未踏のK2東壁に挑む加藤文太郎と後輩、建村歩。



孤高の人より
しかし極限の雪山で建村は正気を失う。彼はドーピングをしていた。
建村は自らザイルを切り、命を落とす。



孤高の人より
残された文太郎は下山を悩むが単独でK2の登頂を果たす。



孤高の人より



孤高の人より



孤高の人より
帰国後、ひどい凍傷で手足の指を失いながらも
再びオーバーハングを攻める彼の姿があった。



孤高の人より



孤高の人より



孤高の人より



孤高の人より
孤高の人―――― 完
感 想
人間の孤独と社会とのかかわりを描いた物語です。
心情や内面の描き方がすさまじくシュールです。



孤高の人より
山を望めば望むほど、人間関係というものを意識させられます。
山に登るには装備などに資金が必要、働かなければいけない。
彼は冷凍倉庫の派遣社員になります(昼休は冷凍倉庫で雪山訓練ができる)。
正社員の誘いは断りました。



孤高の人より
とにかく彼には山それもK2しか無かった。
この作品、坂本眞一先生の画力が秀逸です。
ことあるごとに、主人公の心象風景が描写されます。



孤高の人より
演出ですが、あまりに迫力があるので、強烈な印象が残ります。
ゴリゴリのクライマーからは酷評を受ける本作ですが、
漫画ですから全く酷評を受ける所以などございません。
有名な野球漫画だってツッコミだしたらキリがない。
クライミングに詳しくない人でも充分に楽しめる素晴らしい作品です。
小説「孤高の人」を書いた新田次郎さんが快諾するのも当然。
文太郎の最後の笑みにほとんどの読者は救われたと思います。
いやあ、読んで良かった。
生きてて良かった。
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